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護符

護符を飲むとは?歴史や効果、飲み方、千枚通しや日蓮宗大本山身延山久遠寺との関わりとは?

皆さん、護符を飲む習慣が存在することご存じでしょうか。実は護符を飲むというのは、日本の伝統的な信仰文化において、特定の願いや病気治癒のために用いられてきたお守り的な習慣なのです。この護符は、通常、神社や寺院で祈願された特別な紙片や木片で作られ、それを水に溶かして飲むことでその効力を得るとされています。飲む護符は、病気の治癒、厄払い、繁栄、安産など様々な目的で使用されてきました。

飲む護符の効果

まず最初に飲む護符の効果を見ていきましょう。飲む護符の効果は、主に精神的・心理的なものであり、その効果の信仰は個人の信念やコミュニティの伝統に大きく依存します。今回は以下に、飲む護符の一般的な効果とされるものをいくつか紹介します。

  1. 病気の治癒: 飲む護符は、特に病気の治癒を目的として使用されることが多いです。これは、護符に込められた祈願や神聖な力が身体を浄化し、病気を治すと信じられているからです。
  2. 厄払い: 飲む護符は、厄年や不運を避けるための方法としても使用されます。護符を飲むことで、悪い運気や災厄を払う効果があると信じられています。
  3. 安産: 妊娠中の女性が飲む護符を使用することもあります。これにより、健康で安全な出産ができるように祈願されます。
  4. 繁栄と幸福: 一部の飲む護符は、繁栄や幸福をもたらすために用いられます。これらの護符は、商売繁盛や家庭の幸福を願って作られます。

飲む護符の歴史

(画像引用: 大本山 弘法寺)

続いて飲む護符の歴史について見ていきましょう。飲む護符の起源は古代日本にさかのぼります。古代の人々は、自然の力や神々の存在を信じ、それらの力を借りて生活の困難を乗り越えようとしました。護符はその一環として、神聖な力を身に着けたり摂取したりする手段として用いられました。

平安時代の初期には、真言宗の開祖である空海(弘法大師)が大きな役割を果たしました。空海は、病で苦しんでいる人に護符を浮かべた水を飲ませることで、その病を治すという奇跡を行いました。この護符を体内に入れた人々は、調子が良くなり不調が解消したという言い伝えがあります。空海を起源とする「飲む護符」は、「千枚通し」と呼ばれ、今でも高野山など、真言宗のお寺でいただくことができます。

鎌倉時代には、日蓮宗の宗祖である日蓮が登場しました。日蓮は多くの文章を残した僧ですが、残っている文章の中には「断簡」と呼ばれる、短い文章が途中で終わったり、途中からはじまっている紙があります。これは、日蓮を信じる人々が「日蓮の文字には特殊な力が込められている」と信じ、その文書を護符として飲んだため、日蓮の書いた文書が断片になり「断簡」となったという背景があります。

これらの歴史的背景からもわかるように、飲む護符は古くから日本の信仰と密接に結びついており、その起源と発展には多くの僧侶たちの影響があります。空海や日蓮のような偉大な僧侶たちの信仰と奇跡が、飲む護符の文化を形成し、現在に至るまで受け継がれています。

千枚通し

千枚通し(せんまいどおし)は、飲む護符と深く関わりのある道具です。千枚通しは、護符を細かく刻むための針状の道具であり、その名の通り「千枚(多くの紙)」を「通す(貫く)」ために用いられます。護符を千枚通しで刻むことには、以下のような意味と効果があるとされています。

  1. 細かく刻むことで効果を高める: 千枚通しで護符を細かく刻むことで、護符の力が水に溶けやすくなり、飲む際にその効果がより強く発揮されると信じられています。
  2. 浄化の儀式: 千枚通しで護符を刻む行為自体が、神聖な儀式とされており、この儀式を通じて護符がさらに神聖な力を持つようになると考えられています。
  3. 病気治癒の象徴: 千枚通しで細かく刻むことは、病気や悪運を細かく断ち切る象徴的な意味も持ちます。この行為を通じて、病気や不運を断ち切ることができると信じられています。

千枚通しを授かれるお寺

飲む護符として有名な「千枚通し」は、真言宗の一部の寺院で授かることができます。真言宗は、飲む護符の発祥である弘法大師空海が開いた宗派であり、その信仰の一環として千枚通しが受け継がれています。以下に、千枚通しを授かることができる代表的な寺院を紹介します。

高野山 奥之院(和歌山県)

(画像引用: 和歌山県公式観光サイト)

高野山の奥之院は、真言宗の総本山であり、空海が建立した神聖な場所です。奥之院では、千枚通しを授かることができ、多くの信者が訪れてそのご利益を求めています。空海が修行を行った場所としても有名で、訪れることで深い信仰心を得ることができます。

高野山東京別院(東京都港区)

(画像引用: agata tokyo)

東京にある高野山の別院でも千枚通しを授かることができます。都心に位置するため、遠方から高野山まで足を運べない人々にもアクセスしやすく、多くの信者が訪れます。東京別院は、都市部でありながらも静寂と神聖な雰囲気を保ち、信仰を深める場として親しまれています。

讃岐國分寺(香川県高松市)

(画像引用: 讃岐国分寺)

香川県高松市にある讃岐國分寺も、千枚通しを授かることができる寺院の一つです。この寺院は、真言宗の歴史を色濃く残しており、地域の人々から厚い信仰を集めています。讃岐國分寺を訪れることで、空海の教えを感じるとともに、千枚通しのご利益を得ることができます。

その他の寺院

上記の寺院以外にも、千枚通しを授かることができる真言宗の寺院は全国に多数存在します。訪れる際には、事前に問い合わせて確認することをお勧めします。各地の寺院で授かる千枚通しは、それぞれの地域や寺院の特色を反映しており、訪れるたびに新たな発見があります。

飲む護符の現代における意義

現代においても、飲む護符は日本の伝統文化や信仰の一部として残っています。特に、地方の神社や寺院では、今なお飲む護符が授与されており、信仰心の強い人々の間で使用されています。

現代医学が発展した今日においても、飲む護符の効果は科学的には証明されていません。しかし、飲む護符の持つ心理的・精神的な効果は無視できません。護符を飲むことで得られる安心感や信仰心の強化は、精神的な健康や幸福感に寄与することが多いです。

また、飲む護符は日本の文化や伝統を後世に伝えるための重要なツールともなっています。護符を作る技術やその背後にある信仰は、日本の歴史や文化を理解する上で重要な要素です。

千枚通しの飲み方|護符を飲む

千枚通しは、真言宗の寺院で授かることができる飲む護符で、その使用方法には特定の手順が存在します。以下に、千枚通しの飲み方について詳しく紹介します。

  1. コップに水をくむ: まず、清潔なコップに水を注ぎます。この水は神聖なものと考え、心を込めて準備しましょう。
  2. 千枚通しを水に浮かべる: 次に、授かった千枚通しを水に浮かべます。千枚通しが完全に水に浸かるようにします。
  3. 「南無大師遍照金剛」と唱える: 千枚通しが水に浮かんだら、「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と唱えます。この言葉は、弘法大師空海への敬意と信仰を表すものです。
  4. 水を飲み干す: 最後に、護符を浮かべた水を一気に飲み干します。このとき、護符も一緒に体内に取り込むことが重要です。

特別な飲み方

通常は1枚の千枚通しを飲みますが、特定の願いや状態に応じて飲み方を変えることがあります。

  • 安産を願う場合: 妊娠中の女性が安産を願うときは、2枚の千枚通しを飲みます。このときも同様に「南無大師遍照金剛」と唱えます。
  • 手足の不調解消: 手足の不調を解消したい場合は、千枚通しの「金剛」の部分をちぎって飲みます。この際には、「南無大師遍照金剛」に加えて「ちぎって飲むことをお許しください」と唱え、護符と水を一緒に飲み干します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は飲む護符について紹介してきました。飲む護符は、日本の伝統的な信仰文化に深く根ざしたお守りであり、その効果は主に精神的・心理的なものです。千枚通しを用いた護符の刻み方や儀式は、護符の力を高めるための重要な手段とされています。現代においても、飲む護符は日本の文化や伝統を象徴する重要な存在であり、信仰心の強化や精神的な安定をもたらすものとして使用され続けています。

本サイトは飲む護符以外にも様々な日本の面白い歴史や文化について紹介しています。もし興味ある方はぜひ他の記事も読んでいただけると嬉しいです!

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