皆さんは、干支に隠されたもう一つの意味を知っていますか?干支には実はただの年の象徴ではなく、私たちの運命や人間関係に深く影響を与える存在があるのです。それが「向かい干支」や「裏干支」です。この古くから伝わる知恵は、単なる占いを超えた、人生を豊かにするヒントが隠されているかもしれません。そこで今回は裏干支や向かい干支とは一体何なのか、また縁起や相性が良いと言われている説を紹介していきます。
干支とは何か?
日本の干支(十二支)は、12年周期で12種類の動物が各年を象徴するシステムです。それぞれの動物、つまり子(ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(うさぎ)、辰(たつ)、巳(へび)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(いのしし)がその年の特徴を表します。
この十二支は中国の干支に基づいていますが、日本独自の違いもあります。例えば、日本では豚の代わりに猪(いのしし)が使われています。また、中国では太陽と月の動きを基にした太陰太陽暦が使用されていますが、日本では1582年からグレゴリオ暦を採用し、1年を365日、12か月、1週間を7日とし、1日を24時間と定めています。このように、干支は年ごとの特徴を表すだけでなく、日本と中国の文化の違いも反映しています。
干支が始まった経緯
干支の始まりには、次のような物語が伝わっています。ある年の暮れ、神さま(またはお釈迦様)が動物たちを集め、「元日の朝に一番から十二番目に挨拶に来た動物を、その年の守護役にする」と告げました。
歩くのが遅い牛は、遅れないようにと夜が明ける前に出発しましたが、ずる賢いねずみがこっそりと牛の背中に乗り込みます。そして、元日の朝、神さまの前に着く直前でねずみが牛の背中から飛び降り、一番に到着してしまいました。このようにして、ねずみが最初の干支として選ばれ、続いて牛、虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の順に十二支が決まったのです。
ちなみに、猫はねずみに「集合時間は翌日だよ」と騙され、十二支に加われなかったため、今でもねずみを追いかけていると言われています。また、「犬猿の仲」という言葉に表されるように、猿と犬は隣り合うと喧嘩をしやすいため、神さまはその間に鶏を置いて、「いつも見守っているよ」というメッセージを込めたとも言われています。
干支のそれぞれの意味
十二支に対応する生年の特徴については、さまざまな説がありますが、以下に私見を交えつつご紹介します。
子(ねずみ)
愛想が良く、気配りができ、清潔感を大切にしますが、欲深さや色恋沙汰で失敗することも多いです。また、ねずみの繁殖力から、子孫繁栄を象徴する存在でもあります。
丑(うし)
真面目で忍耐強く、働き者です。反面、強情で口下手なところもあります。牛は人間社会と密接な関係を持ち、肉や骨が大切な資源として利用されてきました。
寅(とら)
大胆で思慮深く、慈悲の心を持っていますが、自信過剰で我儘な一面もあります。寅は神秘的で畏怖される存在としても知られています。
卯(うさぎ)
情に厚く、愛嬌があり、才覚も持っていますが、根気がなく、男女間のトラブルが起こりやすい傾向にあります。その優しい姿は家内安泰の象徴であり、躍動感は大きな飛躍を暗示します。
辰(りゅう)
自尊心が強く、機敏で、一途な性格です。愛想が悪く短気な面が見られますが、龍は霊獣として瑞兆をもたらすと考えられています。
巳(へび)
思慮深く、冷静で金運に恵まれていますが、猜疑心が強く嫉妬深いこともあります。白蛇を助けた漁師が巨万の富を得たという伝説もあります。
午(うま)
陽気で人気者、面倒見が良いですが、軽率で短絡的な行動を取りがちです。馬は古くから人々の役に立つ存在として親しまれています。
未(ひつじ)
温和で慈悲心に富み、親切な性格です。反面、臆病でマイナス思考に陥りやすいですが、「羊」は大勢が一つにまとまる「群」を象徴します。
申(さる)
器用で利口、財運にも恵まれていますが、飽きっぽく、意地悪な一面もあります。猿は神山王の使者として信じられてきました。
酉(とり)
賢明で世渡り上手、弁舌も立ちますが、移り気で多忙な割に成果が上がりにくいです。鶏は人間に役立つ存在で、時を告げて時間を知らせます。
戌(いぬ)
義理堅く正直で、勤勉な性格です。しかし、偏屈でくよくよしがちな面もあります。犬は人に忠実で、主人にとって最も親しみを感じる動物です。
亥(いのしし)
潔白で決断力があり、侠気に富んでいますが、短気で頑固なところもあります。「いの子餅」を食べると万病を防ぐという祝いの風習もあります。
それぞれの干支には、その年生まれの人々の性格や人生観に関わる象徴的な意味が込められています。
裏干支・向かい干支とはどんな意味?
それでは裏干支・向かい干支とは一体何を意味しているのでしょうか?「裏干支」または「向かい干支」とは、十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の中で、自分の干支から見てちょうど反対側、つまり対角線上に位置する干支のことを指します。たとえば、子(ねずみ)年生まれの人の向かい干支は午(うま)となり、また戌(いぬ)年生まれの人の向かい干支は辰(たつ)になります。このように、自分の干支から数えて6番目(自分の干支を含めると7番目)にあたる干支が向かい干支です。
以下は各干支の対になる向かい干支の組み合わせです:
- 子⇔午
- 丑⇔未
- 寅⇔申
- 卯⇔酉
- 辰⇔戌
- 巳⇔亥
向かい干支を知ることで、自分の干支に対応する別の干支との関係を深く理解することができます。
裏干支・向かい干支は縁起がいい?
江戸時代から、向かい干支は幸福を呼ぶとされ、縁起の良いラッキーアイテムとして大切にされてきました。昔の日本では、子どもの着物の背中に向かい干支の柄を施す習慣があり、七五三の着物には母親が愛情を込めて刺繍を入れていたものです。これには、親が子どもの幸せを願う深い思いが込められていました。
現在でも、粋な噺家や俳優の間では、着物や小物に向かい干支を取り入れることが流行しています。例えば、羽織の裏地に向かい干支のデザインを隠してみたり、根付けに向かい干支を用いたりすることで、さりげなく洒落たスタイルを演出しています。向かい干支を身に着けることで、古来からの知恵と幸運を現代に生かしているのです。
裏干支・向かい干支は相性もいい?
また、人間同士の相性についても、向かい干支同士は深い縁で結ばれると考えられています。向かい干支の人たちは、お互いに正反対の性格や気質を持つため、一見すると相性が悪いと思われがちですが、実はその違いこそが良い相性を生み出す要素なのです。互いに不足している部分を補い合うことで、より強い絆が築かれ、相互に支え合う関係が生まれます。そのため、向かい干支同士のカップルが意外にも多いことが知られています。
世の中には様々な占いや相性判断がありますが、この向かい干支の考え方をちょっとした粋な話として覚えておくのも面白いかもしれません。もし十二支のグッズを見かけたら、自分の向かい干支に当たるものを選んでお守りにしてみるのも、幸運を呼ぶひとつの方法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?裏干支は、自分の干支と深い縁を持ち、互いに補い合う関係を築ける存在です。昔から縁起の良いラッキーアイテムとして愛されてきました。日常生活に裏干支を取り入れることで、新たな幸運や人間関係の発展を期待できるかもしれません。自分の裏干支を知り、その力を借りて、より豊かな人生を送りましょう。
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