【PR】
皆さん、「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という言い伝えを聞いたことありますか?一体なぜ爪を夜に切ると親の死に目に会えないのでしょうか。もちろん論理的な因果関係はありません。日本にはこのような不幸を招くと言われている迷信が昔から数えきれないくらい存在しています。こうした不幸を招くと言われている迷信は人の記憶に残りやすいので、言い伝えで伝承されてきたのです。今回はそんな日本の不幸を招くと言われている迷信を紹介していきます。
霊柩車を見たら親指を隠す
霊柩車を見た際に親指を隠すという迷信は、日本の独特な文化的信念の一つです。この迷信は、特に子供たちの間でよく知られており、霊柩車が通り過ぎる時に親指を握り込むことで、不幸や死から身を守るとされています。
この習慣の背後にある理由は、日本語で親指を「おやゆび」と呼ぶことに関係しています。「親」を意味する「おや」という言葉が含まれているため、親指を隠すことで、自分の親を死から守るという意味合いがあるとされます。言い換えれば、霊柩車を見ることは死と直接的な接触を意味するため、その瞬間に親を思いやる行動として親指を隠すわけです。
この迷信は科学的根拠に基づくものではありませんが、文化的な習慣や信仰の一形態として受け継がれています。多くの場合、子供たちがこの習慣を守ることで、不安や恐怖を和らげ、心の安定を図る効果があるとも言われています。現代でも、このような伝統的な迷信が日本の社会や文化の中で色々な形で存在し続けていることは、文化の多様性と伝統の持続性を示す興味深い例です。
北枕は縁起が悪い
北枕が縁起が悪いとされる信念は、日本の伝統的な迷信の一つです。この迷信は、主に日本の葬儀の習慣に由来しています。日本では古来、故人を安置する際に頭を北向きにして安置することが多く、このため北枕は死と関連付けられています。この習慣は「北向き枕」と呼ばれ、死を連想させる方向として避けられる傾向にあります。
この迷信の背景には、風水の考え方も影響しているとされています。風水では、方位が人の運気に大きな影響を与えると考えられており、北は冷たく、エネルギーが停滞する方向と見なされがちです。このため、北枕で寝ることはエネルギーの流れを悪くし、健康や運気に悪影響を与えるとされています。
しかし、これらの迷信は科学的な根拠に基づくものではなく、現代では多くの人々がこれを単なる迷信として捉えています。それでも、文化や伝統の一環として、一部の人々は依然として北枕を避ける習慣を持っています。このような迷信は、その地域の文化や歴史を反映した興味深い側面を提供し、日本の風習や信仰を理解する上での一つの要素となっています。
カラスが鳴くと人が死ぬ
カラスが鳴くと人が死ぬという迷信は、日本を含む複数の文化で見られる信仰です。カラスはその特有の黒い羽と独特の鳴き声、そして腐肉を食べる習性から、死や不吉な予兆と結びつけられがちです。特に日本では、カラスの鳴き声を不吉な出来事や死の前触れと捉える風潮があります。このような迷信は、カラスが墓場や葬儀場、戦場や処刑場など死と関連する場所に現れることが多いために生まれたと考えられます。
また、カラスは非常に賢い鳥であり、人間の活動を注意深く観察することが知られています。そのため、カラスが何か異変を感じ取って鳴いていると解釈されることもあります。しかし、科学的な根拠はなく、カラスの鳴き声が直接的に人の死と関連しているわけではありません。
この迷信は、カラスに対するネガティブなイメージを強化する一因ともなっていますが、カラスは都市環境に適応し、さまざまな面で人間と共存している賢い生き物であることを理解することが重要です。
夜に口笛を吹くと縁起が悪い
日本において夜に口笛を吹くと縁起が悪いとされる迷信は、非常に古くからのもので、地域や家庭によってさまざまな解釈が存在します。一般的に言われるのは、夜に口笛を吹くことで悪霊や鬼を呼び寄せる、泥棒や人さらいが口笛を合図に使っていたため、またはヘビを引き寄せるといった理由から、不吉な事態を招くとされています。また、口笛が風を呼ぶとも言われ、それが災いを引き起こすとの考えもあります。
この迷信の背後には、口笛が持つ神秘的な力で神様や精霊を招くという古い信仰が関連していると考えられています。夜間は特に邪悪な力が働きやすいとされ、神聖な行為である口笛を軽々しく行うことは避けるべきとされたのです。また、単純に夜間の静けさを乱す行為として、近隣への迷惑や子供へのしつけとしての側面もあります。
このように、夜に口笛を吹く行為が縁起が悪いとされる理由は、超自然的な信仰、社会的な合図、自然への畏敬、そして社会的なマナーという複数の要素が絡み合っています。科学的根拠はなくとも、文化や習慣の中で受け継がれる迷信は、その地域や社会の歴史や価値観を反映していると言えるでしょう。
黒猫が横切ると不幸になる
黒猫が横切ると不幸という迷信は中世ヨーロッパにおける「魔女狩り」の時代までさかのぼります。魔女狩りの頃に、黒猫は魔女の使い魔という噂が広まりました。それ以来、黒猫の迫害・虐殺などが起きてしまいました。黒猫は悪魔が好む動物であり魔女の象徴であるとし、黒猫を飼っているかで魔女を判断していたようです。 そのような時代背景で、民話に黒猫が横切る場面の描写があり、それが迷信の由来になったと考えられています。由来となった民話では、魔女は黒猫に変身できるといわれていました。夜の町で子供が黒猫の足に石を投げつけてあざをつけたところ、次の日魔女だと疑われていた女があざのある足を引きずって歩いていた、というものです。 夜道で光る目や黒い体に目立つ歯などの見た目が、悪魔や魔女などのイメージと結びつきやすかったようです。見た目とイメージの結びつきやすさから民話ができてしまい、迷信まで広まってしまったと考えられますね。
とはいえ黒猫が横切ると不吉というのは、あくまで迷信です。逆に日本やニュージーランドなどでは黒猫は幸運をもたらすと考えられてきました。 黒猫が横切った際に不吉か幸運かというのは地域や文化によって違いますが、かわいい黒猫が横切ったらハッピーな気持ちになりますよね。
夜に爪を切ると親の死に目に会えない
夜に爪を切ると「親の死に目に会えない」との話を聞いたことがあるでしょう。これは、戦国時代の「夜詰め」にルーツがあるといわれます。夜詰めとは、夜間に城を警備する重要な務めで、たとえ親に何があろうとも持ち場を離れることは許されませんでした。そこで、「夜に爪を切る」ことを「夜爪(よづめ)」から「夜詰め」に語呂合わせをして、タブーとしたようです。
また「よづめ」が「世詰め」とも書けることから、夜に爪を切ることは「世を詰める」こと、つまり「寿命が短くなる」との説も。その結果、親よりも先に亡くなってしまうので、親の死に目に会えないことにつながります。
それにしても一体なぜ夜に爪を切ることを「不吉」としたのでしょうか。一説として、けがへの警鐘があったようです。そもそも、昔は爪切りといった道具はなく、小刀やハサミなどを使って爪を切っていたといわれています。しかも、現代のような電気もありません。夜に爪を切るとなると、ろうそくの薄暗い明りを頼りにしなければならず、刃物を使うのでけがにつながるおそれがありました。親から授かった大切な体に傷を付けるようなことはしない戒めとして、このような話が広まったともいわれています。
箸から箸へ食べ物を渡してはいけない
食事の時に、食べるものを箸から箸へ渡す行為はタブーとされています。それは、「箸から箸へ渡す」という作業は、あくまで死者に対してのみ許される行為であるためです。箸渡し(はしわたし)とは、火葬場で行われる神聖な儀式で、古来より日本に伝わっている習わしです。小さいころ年配の方から「箸渡しをしてはいけません」と注意された覚えのある方も少なくないのではないでしょうか。
このような日本古来の思想は、やがて食事のマナーにも大きく影響するようになりました。箸から箸へ料理を受け渡す行為は、ご遺骨拾いを連想させる縁起の悪い所作として、「合わせ箸(あわせばし)」「忌み箸(いみばし)」「拾い箸(ひろいばし)」「禁じ箸(きんじばし)」とも呼ばれ、重大なマナー違反とされています。
夜に洗濯物を干すと縁起が悪い
昔日本では、着物には故人の霊が宿っているという迷信があり、死者の着物は夜に干すという風習がありました。そのため夜の洗濯物は死者の着物を連想させ縁起が悪いものとされています。また、風水の視点で夜間は陰のエネルギーが強いことから、夜に干した洗濯物に陰のエネルギーが吸収され、その洋服を着ることで悪い方向へ向かうと言われています。 「夜干しは赤子なく」ということわざがあるように、夜露で湿った衣類が原因で赤ちゃんが夜泣きすると考えられていました。
鏡が割れると縁起が悪い
鏡は古来より自己を映し出す神聖な物とされ、不吉な事を跳ね返す力があると信じられてきました。そのため、鏡が割れることは悪い前兆とされる一方で、実際には災いから守ってくれたという意味もあります。
この考え方は日本だけでなく、アメリカにおいても「鏡が割れると7年の不幸が続く」という迷信として知られています。鏡が割れた場合は、それを感謝の気持ちを持って新しい鏡に取り替えることが望ましいとされています。
彼岸花を家に持ち帰ると火事になる
彼岸花を家に持ち帰ると火事になるという迷信は、日本の一部の地域で古くから伝わる信念です。彼岸花、特にその鮮やかな赤い花は、秋分の日を中心としたお彼岸の時期に咲き、墓地や古墳の周辺などでよく見られます。この花は美しいものの、有毒であり、生と死の象徴として捉えられてきました。
この迷信の背景には、彼岸花が咲く場所が死と関連していることが大きく関わっています。墓地や霊場の近くに自生する彼岸花を家に持ち込むことは、不幸や死を自宅に招き入れる行為とされ、特に火事を引き起こす前触れとされてきました。この「火事」という言葉は、「家事」と語呂合わせできることから、不吉な意味合いを強めています。
また、彼岸花には「死人花」「幽霊花」といった別名もあり、これらの名前が不吉なイメージを一層強化しています。先祖や故人の霊を尊重する日本の文化の中で、彼岸花を持ち帰ることは、霊を乱す行為とみなされるため、特に避けられてきました。
現代では、科学的根拠に基づいた考え方が一般的になり、このような迷信を信じる人は少なくなっています。しかし、彼岸花の持つ美しさと同時に、これらの迷信や伝承が彼岸花に対する神秘的な雰囲気を形成し、日本の文化の一面を伝えていることは間違いありません。
雛人形をしまい忘れると婚期が遅れる
女の子を震え上がらせる縁起の悪い言い伝えもあります。雛人形は天皇陛下の結婚式を象徴し、女の子の厄を引き受ける役割があるとされています。雛祭りに飾り出した後、片付けを怠る女の子は、妻として理想的な大人の女性になれないと言われ「雛人形をしまい忘れると婚期が遅れる」という迷信が誕生しました。またこの迷信は花嫁修業とも関連しています。片付けができない女の子は結婚にふさわしくないという戒めの意味も含まれています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は日本で不幸を招くと言われている言い伝えを紹介してきました。知っていたけど初めて背景を知ったものやそもそも初めて意味を知ったものなどいろいろな迷信を知ることができたかと思います。日本人は古くから日常の些細な一面を死や不幸と関連付けて、常に意識するように動いてきたのかもしれません。興味を持った方は幸運を呼ぶ迷信もぜひ読んでみてください!
コメント